アレルライトハイパーは花粉症などのアレルギー症状に効果があるとして、人気の乳酸菌サプリメントですが、注意書きには「妊娠・授乳中の方、小児のご使用はお控えください」と書かれています。子供や妊婦が飲めない理由を徹底的に調べてみました。
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こんな方に見てほしい
このページは、アレルライトハイパーを花粉症やアトピーなどのアレルギーが心配な子供に飲ませようか悩んでいる方に見ていただきたいページです。
概要
アレルライトハイパーの成分と効果について
アレルライトハイパーは、1日分(2粒)で5000億個もの乳酸菌を摂取できるサプリメントです。配合されている乳酸菌は「リフレクト乳酸菌(T-21株)」です。
リフレクト乳酸菌(T-21株)には、アレルギーを抑制する免疫調整物質の産生を促進する働きがあり、アレルギー症状の緩和が期待されています。ヒト試験では、花粉症と通年性鼻炎の症状が緩和されることが確認されているため、特に花粉症予防や症状緩和に人気になっています。
アレルライトハイパーの成分
アレルギーが心配な場合、気になるは「成分」です。
そこで、アレルライトハイパーの成分について、細かく見ていきましょう。
商品に記載されている詳細がこちら。
アレルライトハイパーは、特定原材料等27品目が含まれていないアレルゲンフリーなので、アレルギーに関する心配はありません。しかし、実際に原材料に記載されているものについて名前を見ただけでは、どのような成分なのかわかりません。
ここでは、アレルライトハイパーの原材料について説明していきます。
●還元麦芽糖水あめ
還元水あめには数種類あるのですが、還元麦芽糖水あめはマルチトールが75%以上含まれているものを指します。甘みの質が良い二糖類の麦芽糖に水素を添加して糖アルコールにしたもので、甘みの質が砂糖に似ていてるため、低カロリー飲料やキャンディーなどで使われています。
還元麦芽糖水あめなどの還元水あめは食品添加物ではなく、食品として認められてます。
●乳酸菌粉末
アレルライトハイパーに配合されている乳酸菌は「リフレクト乳酸菌(T-21株)」です。
リフレクト乳酸菌(T-21株)は、志賀高原のツルコケモモから発見された植物性乳酸菌で、日清グループの研究によって、花粉症などのアレルギー症状を抑制する効果があることがわかりました。
乳酸菌そのもは、ヨーグルトなどの発酵食品にも含まれているため、子供が食べても問題ありませんし、過剰に摂取しても健康に問題はありません。
●マルトデキストリン
マルトデキストリンは、厚生労働省が認可している食品添加物で甘味料として使われています。消化吸収が早く、アスリート向けの食品、また、子供用のプロテインやお菓子などにも使われています。
●粉末セルロース
セルロースは、増粘安定剤として使われることが多く、ゼリーやジャムといった加工食品に粘り気を与えます。また、ラムネ菓子のよう柔らかく固まっているようなものに使われます。
セルロースは、木や雑草、野菜などほとんどの植物に含まれており、食品添加物としてよく使用されています。
●ステアリン酸Ca
ステアリン酸Caは、ほとんどのサプリメントや錠剤に使われてる食品添加物です。
用途としては、形を形成するための安定剤や乳化剤になります。
●微粒二酸化ケイ素
微粒二酸化ケイ素は、粉末などが固まらないようにする固結防止剤として一般的に使われている食品添加物です。
名前だけ聞くと少し危ないイメージがありますが、摂取しても体にほぼ吸収されずそのまま排出されます。また、人の体にも微量に含まれていて、肌の保湿、骨や髪、爪の維持などのサポートする成分です。
●ビオチン
ビオチンは、酵母・レバー・豆類・卵黄等に多く含まれてる栄養素で、ビタミンB群に分類される水溶性ビタミンの一種です。
ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養機能食品として認められています。
アレルライトハイパーが栄養機能食品となっているのは、このビオチン(50μg/1日摂取量目安)が配合されているからです。
しかし、実はこのビオチンが子供がアレルライトハイパーを飲めない原因となる成分でもあります。
子供がアレルライトハイパーを飲めない理由
アレルライトハイパーに記載されているご使用上の注意がこちらです。
ここで、気になるのが「妊娠・授乳中の方、小児のご使用はお控えください。」というもの。
アレルライトハイパーの成分や効果を見た限りでは、安全性としては以下のことがわかっています。
- サプリメントは薬ではないので副作用の心配がない
- 乳酸菌そのものに副作用の心配はない
- アレルゲンフリーだからアレルギーの心配もない
基本的に、乳酸菌サプリメントは子供や妊娠中でも飲めるイメージがありますが、どうしてアレルライトハイパーは妊娠・授乳中、小児は飲むことができないのでしょうか?
その理由には、アレルライトハイパーの乳酸菌以外の有用成分でもある「ビオチン」にありました。その理由について詳しく見ていきましょう。
ビオチンの食事摂取基準
ビオチンは不足すると、リウマチ、シェーグレン症候群、クローン病などの免疫不全症のほか、インスリンの分泌能が低下し1型および2型の糖尿病のリスクが高まることが知られていて、そのほかに、乾いた鱗状の皮膚炎、 萎縮性舌炎、食欲不振、むかつき、吐き気、憂鬱感、顔面蒼白、性感異常、前胸部の痛みなど、さまざまな症状が現れます。
そのため、日本人の食事摂取基準として、ビオチンの1日の摂取目安量が定めれれています。
アレルライトハイパー2粒(1日の摂取量目安)に配合されているビオチンの量は50μgです。上記の表を見てわかるように、50μgというのは男女ともにに12歳以上の摂取目安量になります。そのため、12歳未満の子供にとって50μgという量は過剰摂取になる可能性があります。
現在のところ、ビオチンの過剰摂取による健康被害は報告されていませんが、普段の食事などからも摂取できる栄養素であるため、子供のビオチンの過剰摂取を避けるために、子供は飲まない方がいいと判断されていることが考えられます。
- レバー、卵黄の他、ししゃもやアサリなどの魚介類
- しいたけやマイタケなどのキノコ類
- ピーナッツなどのナッツ類
妊娠中のビオチンの摂取について
妊娠中に多量のビオチンを投与すると、哺乳動物では胎仔の吸収 (妊娠初期の胚死亡) や胎盤、卵巣の委縮がおこるとの報告されたころから、妊娠中のビオチンの過剰摂取が心配されています。
しかし、実際のところはの実験は、ラットにおける毒性試験の結果で、安全性試験はヒトで直接実施することはできないので、動物実験が行われます。この動物実験はかなり大量に、しかも皮下注射した条件でされており、人が食品から経口摂取する条件とはかなりかけ離れています。むしろ、妊娠中はビオチン不足の方が心配されています。
妊娠中はビオチンの要求量が多くなると考えられており、年齢別の目安量(成人女性の場合50μg)に2μgを付加量として、合計52μgが妊婦の目安量とされています。
ですが、摂取量の上限量が設定されていないのは、値を設定するだけの十分なデータが揃っていないことも考えられます。これらのことから、万が一のことも考え、妊娠中のアレルライト ハイパーの摂取は、注意書きの指示に従い控えた方がいいでしょう。
アレルライトハイパーが飲めない場合の対策方法
この記事を読んでいる方の多くは、自分または子供が花粉症やアトピーなどのアレルギーを心配されていて、アレルライトハイパーを飲んでみようかなと思われているのではないでしょうか。
実際に、アレルライトハイパーに配合されているリフレクト乳酸菌(T-21株)には、花粉症や通年性鼻炎といったアレルギーに対する効果が確認されています。アレルギーというのは、発症メカニズムも複雑で解明されていないことも多く、薬でも完璧に治すことができない現代病のひとつです。
そんな状況で、薬のような副作用がなく、アレルギーに効果がある乳酸菌サプリメントは、アレルギー患者にとって救世主のような存在です。しかし、アレルライトハイパーは妊娠中の方や子供は飲むことができないとされています。
だからといって、諦めてしまうのはまだ早いです。実は、アレルライトハイパー以外のも、アレルギーに対する効果が期待できる乳酸菌サプリメントが他にあります。
アレルギーにオススメの乳酸菌サプリ
実は、アレルライトハイパーのリフレクト乳酸菌(T-21株)にように、アレルギーに対しての効果が確認されている乳酸菌が他にもあるのをご存知ですか。
有名なものとしては、カルピスのアレルケアに配合されている「L-92乳酸菌」があります。
L-92乳酸菌は、人を対象とした実験でも、花粉症やアトピーだけでなくインフルエンザなどにも効果が認められています。
そして、もう一つ、菊正宗の米のしずくに配合されている「LK-117乳酸菌」があります。
LK-117乳酸菌も、リフレクト乳酸菌やl-92乳酸菌とほぼ同じメカニズムで、花粉症やアトピーへの効果が認められている乳酸菌です。
また、このLK-117乳酸菌を配合した米のしずくの開発は、近畿経済産業局の開発事業のひとつとして進められているほどです。そのため、最も信頼性が高い乳酸菌サプリといえるでしょう。
このように、アレルギーに対しての効果が期待できる乳酸菌サプリメントは、まだまだ少ないですが、アレルライトハイパーだけではありません。また、アレルケアも米のしずくは、子供や妊娠中に飲んでも大丈夫です。
アレルライトハイパーが飲めない、アレルライトハイパーを飲んだけど効果がいまいちだったという場合は、諦めてしまう前に他の乳酸菌サプリメントを試してみるのもいいでしょう。