子供や自分がアトピーだから犬を飼うことを諦めている方は多いはず。その理由は、犬を飼うことでアトピーの症状が悪化させてしまう可能性があるから。実際に犬を飼うことによってアトピーの症状を悪化させる原因を知り、対策をすることで何の問題もなく犬を飼えるかも!?
概要
アトピーでも犬は飼える?
先に結論からお伝えしておくと、アトピーでも犬は飼えます。
ただし、犬を飼うことはアトピーの症状を悪化させてしまう原因が増えることも事実です。アトピーで犬を飼う場合は、どうして症状が悪化するのか、それに対してどのような対策が必要かを知ることが大切です。
アトピーで犬を飼う前に必ずやるべきこと
まずは、アトピーで犬を飼う前に必ずやるべきこと、それは「アレルギー検査」です。
犬を飼う前に必ずアレルギー検査を行うようにしましょう。アトピーにはアレルギーも大きく関係していますが、アレルギーの中でも犬アレルギーを持っている場合は、犬を飼うことはあまりおすすめしません。
犬アレルギーって何?アトピーとの関係は?
犬アレルギーとは、犬と接したときや犬と同じ空間にいるときに免疫が過剰に反応(免疫異常)を起こしてしまうことです。犬アレルギーの症状としては、咳や目の充血、ひどい場合は下痢や嘔吐、呼吸困難などが起こります。
犬アレルギーを起こす原因となっているのは、犬が発するアレルギー物質で、犬の体内で生成されるアレルギー物質(アレルゲン)として現在確認されているのは7種類。その中には、犬の毛やフケ、唾液中に多く存在するものなどもあります。
犬アレルギーを引き起こすことによって、もともとぜん息やアトピーを持っている人は症状が悪化してしまうこともあります。また、犬アレルギーでなくても、犬の毛に付着したダニやハウスダストがぜん息やアトピーの症状が悪化する原因になります。
【犬アレルギーだけど犬を飼いたい!という方の対処法】
アレルギー検査をして、犬アレルギーと診断されたけど「どうしても犬を飼いたい!」という方への代表的な対策方法を紹介しておきます。(※ この対策方法をすれば犬を飼えるということではありません。)どうしても犬を飼いたいという場合は、専門医としっかり相談して判断するようにしましょう。
●アレルギーになりやすい犬種を避ける
自分の犬アレルギーは、どのような犬種が引き起こしやすく、どのような犬種が引き起こしにくいのかということを把握し、飼う犬を考えるようにしましょう。犬アレルギーの原因となる、抜け毛が多い犬種は抜け毛の少ない犬種に比べてアレルギーを引き起こしやすいといえます。
●住居スペースを完全に分ける
犬を飼うスペースと人間の暮らすスペースを完全に分けるのが理想的。リビングで飼う場合は、犬用のケージでスペースを作って、飼い主が頻繁に立ち入らないようにするなどして接触頻度を減らすこと。特に寝室は、寝ている間にアレルゲンが体内に入ることを予防するためにも、犬を入れないようにすることを徹底しましょう。
●こまめに換気や掃除をする
犬のアレルゲンは犬の体だけでなく空中にも舞っています。そのため、部屋はこまめに換気や掃除をしておくことが大切です。
●犬をこまめに洗ったりブラッシングをする
シャンプーやブラッシングは、犬アレルギーの原因になる抜け毛やフケ対策には有効です。ただし、ブラッシングしているときにアレルゲンが舞い上がる可能性もあるので、犬アレルギーを発症していない人が行うようにしましょう。
●こまめに手を洗う
犬のアレルゲンは体だけでなく、唾液にも多く含まれています。犬に触ったり、犬に舐められたりしたあとは、こまめに手を洗うようにしましょう。
犬アレルギーの場合は、このように犬から発生するアレルゲンを近づけないようにすることが重要になります。これは、犬を飼うことでアトピーの症状悪化を防ぐためにも必要なことです。ただし、アトピーの場合は、この他にさまざまな要因が考えられるためさらなる対策が必要です。
犬を飼うことでアトピーの症状が悪化する原因
犬を飼ってアトピーの症状が悪化した場合、犬が原因であると思い込んでいる方も多いのですが、実際にアレルギー検査をしてみて犬アレルギーではなかった場合はどうなるのでしょうか?実は、犬を飼うことでアトピーの症状を悪化させてしまっているのは、犬自体ではなく、犬に付着しているダニやハウスダストなどが原因です。
犬を飼うことで増えるアトピー要因
アトピーは、「アレルギー体質」「アレルゲン」「肌バリア機能の低下」の3つ要因が重なることで発症するとされています。その中で、犬を飼うことで増えるのが「アレルゲン」の要因です。
犬は、屋内外問わずに活発に動き回るため、ハウスダストや花粉など空気中に舞っているアレルゲンを家の中に大量に持ち込んでしまう可能性があります。さらに、犬のシャンプーやブラッシングをこまめにしないと犬の体に大量のダニが発生したり、部屋の喚起や掃除を怠ると空気中のアレルゲンがさらに増加していきます。つまり、犬を飼うことでアレルゲンが増える可能性が高くなるのです。
アトピーが犬を飼うための対策は「清潔」
アトピーが犬を飼うために必ず必要な対策は「犬も部屋も清潔にしておくこと」。
犬の抜け毛が原因でアトピーが悪化するのではなく、抜け毛をそのままにしていたり、空気中のアレルゲンを気にしていなかったり、とにかく清潔にしていないことが、どんどんアトピーの要因を増やすことに繋がります。
部屋の換気や掃除、犬のシャンプーやブラッシングはこまめに行いましょう。大変かもしれませんが、犬の体を清潔に保つためにはシャンプーは週2~3回行うのが理想です。もし、犬が嫌がらないのであれば掃除機で直接体を吸うことで毛やフケの落下を抑えることができます。また、特に寝室だけは犬を入れないように徹底しましょう。寝室に犬を入れてしまうと、寝具に毛やフケ、ダニが付着し、アトピーを悪化させる可能性が高くなってしまいます。
このように犬を飼うことで増えるアトピー悪化の要因を知り、それに対して対策することで、アトピーでも犬が飼える可能性があるということです。
アトピー要因を減らすには乳酸菌も効果的
アトピーは、「アレルギー体質」「アレルゲン」「肌バリア機能の低下」の3つ要因が重なることで発症します。そして、アトピーの症状を改善するにはアレルゲンを減らすだけでなく、アレルギー体質の改善や、肌バリア機能を高めるための体の内側からのケアも必要となります。
体の内側のケアで基本となるのが腸内環境を改善することです。食べ物を消化し栄養を吸収して体内に届けているのは「腸」。さらに、腸には人の免疫細胞の6割以上が集中しているのです。アレルギー体質というのは免疫が異常を起している状態、そして肌のバリア機能の回復に必要な栄養素は腸から届けられています。つまり、腸内環境を改善することによってアトピー要因を減らすことができます。
そして、そんな腸内環境を改善するために効果的なのが、発酵食品などに含まれている「乳酸菌」です。乳酸菌は、腸に運ばれると腸内の善玉菌の働きを助けてくれます。また、乳酸菌だけなく食物繊維やビタミン類などの栄養をバランスよく摂取することで、さらに乳酸菌の働きを効果的にすることができます。
アトピーで犬を飼うには上手に向き合うことが大切
アトピーだから犬は飼えないと決めつけるのではなく、どのような問題にどう対策できるかを考えることで、問題なく犬が飼えるかもしれません。また、犬を飼うことには、デメリットだけでなく、メリットも存在します。
実際に長年犬を飼ってきた人が、アレルギー検査をしたら、アレルギー値が非常に高かったということもありますので、初めから決めつけるのはよくないですし、アレルギー症状自体がでない場合も多くあります。
犬を飼うことは、うつ病や自律神経系の治療の一環として施されることもあるほど、癒しの効果があるとされています。また、犬の散歩は適度な運動の習慣化になるなど、犬を飼うことでアトピーが改善されたという人もいます。犬を飼うことで、もしかしたらアトピーがいい方法に向かう可能性もあるかもしれません。そのためには上手に向き合うことが大切です。あなたも、素敵な愛犬との生活ができるといいですね。