[vc_row][vc_column][vc_column_text]赤ちゃんから大人まで、アトピー性皮膚炎に悩まれている方は多いです。その治療法で最も気にされるのがステロイド外用薬です。そのステロイド外用薬の副作用や対策についての疑問にお答えします。
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概要
ステロイドの注意したい副作用とその対策
ステロイドの注意したい副作用とその対策についてQ&Aの形式で疑問にお答えします。
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Q:ステロイド外用薬を長期間使うと、皮膚が萎縮するのは本当ですか?
A:本当です。
ステロイドは多種にわたる薬理作用により様々な副作用が引き起こされます。また、外用剤の量、強さにより、全身的な副作用と局所的な副作用を引き起こします。
局所的な副作用としては、皮膚の萎縮、血管壁がもろくなること、毛や脂腺が非常に活性化するなどが挙げられます。これはいずれもステロイドの薬理作用が極端にあらわれたものと考えられています。このような副作用は、ストロンゲストなどの非常に強いステロイド外用薬を長期間外用し続けるときに起こります。急な皮膚炎症で、一時的にステロイド外用薬を使用して炎症が治まったときは、すぐに弱いステロイド外用薬や保湿剤に変更するようにしましょう。このように適切なステロイド外用療法を行うことで、副作用は予防できます。変化に気づいたら弱いステロイド薬や保湿剤に変更することをが大切です。
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Q:ステロイド外用薬の重い副作用が出ることはないか?
A:非常に強い外用薬を毎日、大量に長期間使うと全身的な副作用が現れます。
全身的な副作用として、大量、長期投与により副腎皮質機能不全、発達障害、感染症を起こしやすいなどの重い副作用がでることがあります。しかし、全身的な副作用が起こるのはストロンゲスト程度のステロイド外用薬を毎日大量に長期間外用しないと起こりません。
また、ステロイドの免疫抑制による感染症誘発の重症例として、カポジ水痘様発疹症というアトピー性皮膚炎における単純性ヘルペスの初感染で全身に水痘(水ぼうそう)のような水疱ができ、発熱、全身の紅斑などの重篤な症状が起こることもあります。カポジ水痘様発疹症では多くの場合、長期間強いステロイド外用薬を使用するので、早期にアトピー性皮膚炎の増悪因子を検索するなど、原因を除いて、ステロイド外用薬の量を減らすことによって、このような重篤な副作用は予防できます。
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Q:ステロイド外用薬の副作用を予防するためにどのような点に気を付ければいい?
A:安易に強いステロイド外用薬を使い続けないようにしましょう。
ステロイド外用薬の副作用を防ぐためには、現在使用しているステロイド外用薬の効果がみられないときでも、安易にステロイド外用薬の強さのランクを上げないようにしましょう。そして、アトピー性皮膚炎を悪化させている因子を再度検索し、明らかにして、その原因を除く必要があります。
また、皮膚症状が回復してきたら、同じステロイド外用薬を使用し続けるのではなく、現在の皮膚症状に必要な強さのステロイド外用薬にランクを落とすか、タクロリムスなどの免疫調整薬などに変更していきます。皮膚症状がほとんど回復しているときは保湿剤のみにすることも大切です。
→赤ちゃんアトピーから大人アトピーまで症状別ステロイドの選び方[/vc_column_text][vc_column_text]
Q:その他にステロイド外用薬の副作用はありますか?
A:ステロイド薬が原因のかぶれもあります。
薬理作用とは別に生じる副作用として、ステロイド外用薬によるアレルギー性接触皮膚炎(=かぶれ)があります。アレルギー性接触皮膚炎はどのような外用剤でも起こしますが、ステロイド外用薬でも報告されていますので、ステロイド外用薬を使って、症状が悪化するときはステロイド外用薬を疑う必要があります。[/vc_column_text][vc_column_text]
Q:ステロイド外用薬以外にはどのような外用薬がありますか?
A:タクロリムス軟膏には抗炎症作用があり、顔の紅斑に有効です。
ステロイド外用薬を長期間使うことによる副作用が問題となって、急速に開発された薬剤があります。ただし、ステロイド外用薬に比べて抗炎症効果が弱く、その使用を疑問視する専門家もいます。代表的な非ステロイド系の外用薬はブフェキサマック(アンダーム)、イブプロフェンピコノール(スタデルム、ベシカム)、ベンダザック(ジルダザック)などがあります。特徴は皮膚萎縮、酒さ様皮膚炎などの副作用がないため、顔、頸部などにも使用でき、免疫能の抑制がないことなどの長所があります。しかし、中等度以上の病変では効果が期待できず、また刺激性、アレルギー性皮膚炎を起こすことがまれではないなどの欠点もあります。
また、近年免疫調整薬であるタクロリムス(FK506)軟膏(プロトピック軟膏)がステロイド外用薬に代わりうる外用薬として使用されています。タクロリムス軟膏はストロング程度のステロイド外用薬と同等の抗炎症作用があるので、びらん(皮膚に傷がある状態)のある皮膚には使用できませんが、特に顔の紅斑には有効です。
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Q:子供にステロイド内服薬が出されましたが、悪い影響はないのですか?
A:できれば避けたいですが、できる限り短期間の使用にとどめましょう。
アトピー性皮膚炎を治療していく上で副腎皮質ステロイド薬の内服薬は非常に特殊な場合に限られます。急激に皮膚症状が悪化し紅皮症化(全身が赤くなった)したときや、症状の範囲が広くステロイド外用薬のみで、コントロールできない時に限られ、決して安易に使用すべきではありません。またステロイド内服を開始しても、長期にわたり使うのではなく、炎症が抑えられてた段階でリバウンド現象(ステロイド内服を急激に中止すること炎症が再発すること)に注意しながら量を減らしていく必要があります。特に小児のアトピー性皮膚炎の患者には成長障害に注意を払い、長期にわたるステロイド内服薬の使用は避けるようにしましょう。
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Q:ステロイド外用薬で炎症が抑えられたときはどのような保湿剤を選べばいいですか?
A:季節や肌の状態にあわせて上手に使いましょう。
保湿剤には多くの種類があります。しかし、各製品によりその保湿機能、塗り心地が異なり、季節、湿度、生活環境、肌の違いなどにより塗り分ける必要があります。基本的に、夏などの湿度が高く汗などにより肌が潤っている季節には、親水軟膏、吸水軟膏、ウレパールなどのクリーム基剤が適しています。冬などの湿度が低い時にはワセリン、アズノール軟膏などの軟膏基剤を選択することが多いです。また、肌の症状により考慮して使います。びらん局面、かききずには、尿素軟膏やクリーム基剤は刺激により痛みを伴うこともあるので注意が必要です。
保湿剤の外用方法は、入浴後に皮膚を清潔にした状態で、手のひらで保湿剤を暖め、よく伸ばし皮膚に刺激を与えないように優しく塗るようにしましょう。決してすりこんだり、指の先で掻くように外用したりしないことです。また入浴後だけでなく、寒気にさらされた後、水泳後、運動しては発汗後や泥遊びなどの肌の汚れたときには、シャワーなどで十分に体を洗った後に保湿剤の使用が必要となります。保湿剤は湿疹などの予防だけでなく、炎症兆候が軽度となった病巣、発赤がない慢性の皮膚病変などにも用いられ、尿素軟膏、亜鉛化軟膏などの古典的外用剤のみで十分なことが多いです。保湿剤をうまく使用することで、ステロイド外用薬による副作用を予防でき、効果的にステロイド外用薬を使用できるようになります。[/vc_column_text][vc_column_text]
表面だけでなく、体の内側から皮膚を守る
外用薬の使用は一時的に症状を抑えたり、症状を予防するためのものです。アトピーなどの皮膚症状に悩んでいる多くの方は、皮膚症状を抑えることに注力します。しかし、それと同時に大切なことがあります。それは、体の内側から免疫力を高めることです。生活習慣を意識することで、体の免疫力を高め、皮膚が本来持っている力を発揮し、アレルゲンなどの外敵に負けない体を作ることがとても大切なのです。食生活、睡眠、適度な運動は体の免疫力を高めるにはとても重要です。そして、今、体の免疫を高める効果があると「乳酸菌」が注目されています。乳酸菌はヨーグルトなどに含まれているため、とても身近な存在です。そんな乳酸菌の健康効果についてはこちらの記事「乳酸菌の種類と驚きの効果」をご覧ください。[/vc_column_text][vc_empty_space height=”60px”][/vc_column][/vc_row]