7月になると、多くの学校では水泳の授業が始まります。また、休みの日はプールで遊ぶこともあるのではないでしょうか。そこで気になるのが、アトピーを持つ子供はプールに入っていいのか。そんな、アトピーとプールの関係について、注意点などをわかりやすく解説!
概要
アトピーとプールについて
アトピーの子供を持つ親にとって、この時期に気になるのが学校の水泳の授業です。プールに入るとアトピーが悪化するのではないかと心配になります。しかし、アトピーとプールについて調べていくと、
「アトピーはプールで悪化する」
「アトピーはプールで改善する」
どちらの説もあるようです。これは、アトピーと一言で言っても、原因や症状も人それぞれであることが理由です。実際の学校側のアトピーに対してのとらえ方から見ていきましょう。
学校の水泳の授業はどうすればいい?
公益財団法人日本学校保健会が発行している「学校における 水泳プールの 保健衛生管理」についてでは、以下のような記載がありました。
Q6 : アトピー性皮膚炎のある児童生徒は水泳をさせてよいですか。また、他人に感染することはないですか。
アトピー性皮膚炎は、他人に感染することはありません。アトピー性皮膚炎のある子どもは、皮膚が弱く、プールの消毒剤の影響を受けやすいので、症状がひどく範囲も広いようなときには水泳を控えさせるほうがよい場合があります。日本学校保健会の発行している「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」などを活用し、主治医から「学校生活上の配慮が必要」と申し出があるときには、水泳を控えさせてください。症状が軽ければ、水泳は可能です。
この内容を見る限りでは、主治医の指示がない限りは学校での水泳を控える必要はありません。アトピーがプールで悪化するのであれば、全面的にアトピーは水泳禁止になってもおかしくないので、このことから、アトピーがプールで悪化するとは限らないことがわかります。
アトピーを悪化させないために!
学校のプールでの心配や注意点
学校の水泳の授業を控える必要がなくても、本当にアトピーが悪化しないか心配になるのは当然のことです。アトピーが悪化する原因は、人それぞれ異なるため、プールの影響も考えられるのは確かです。ここでは、学校のプールによるアトピーの心配や、悪化させないための注意点などを紹介していきます。
プールの塩素でアトピーは悪化しない!?
学校のプールで一番心配されるのが、塩素によるアトピーの悪化です。
実は、塩素は日常の水道水にも含まれていて、役割はとしては水道水を消毒して病原菌などの繁殖を防ぐことです。日本の水道水が飲めるのは塩素のおかげでもあります。そして、プールの場合は、感染症を防ぐことも塩素の役割の一つとなります。そして、一番驚いたことなのですが、
・プールの塩素濃度:0.4mg/L以上1mg/L以下
・水道水の塩素濃度:0.1mg/L以上1mg/L以下
これらの数値は、厚生労働省水道法水質基準省や文部科学省の遊泳用プールの衛生基準などで定められています。そのため、プールの塩素を気にしすぎる必要はありません。塩素による刺激が気になる場合は、プールに入る前にワセリンを塗ることで、皮膚が直接刺激を受けるのを防ぐことができます。
プールでの日焼け止め対策
アトピーであっても、適度な日焼けはあまり気にする必要はないとされていますが、学校の水泳の授業は30分以上は紫外線を浴びていることになるので、紫外線対策は必須になります。
日焼け止めの使用については、学校ごとで方針が異なり、プールの水が汚れることを懸念して日焼け止めの使用を許可していない学校も多くあります。最近になって、日本学校保健会が「耐水性のものに限り、学校のプール授業で日焼け止めを積極的に使用してもよい」という指針を発表したことで、使用を許可している学校も増えてきています。
しかし、日焼け止めを塗ることによるアトピーの悪化も気になります。そいういう場合は、学校に一度ラッシュガードの着用が可能かどうか確認してみましょう。ラッシュガードを選ぶポイントは、紫外線をカット率、速乾性など。また、学校で着用する場合は、安全性を考えて、フードやひもなど、引っ掻かる危険があるものを避け、なるべく体にフィットしたもので脱ぎやすいものがいいでしょう。
接触による感染症に注意
アトピーは感染する病気ではないのですが、学校のプールでは「とびひ」呼ばれる感染症に注意が必要です。とびひとは、肌の表面の傷から細菌が侵入することで起こる感染症で、正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼ばれます。アトピーの場合、バリア機能が低下していたり、掻くことで肌に傷ができていることもあり、感染する危険性も高くなります。
学校のプールの水は、塩素で消毒されているので皮膚から離れた細菌が、一緒に泳いでる人に感染する可能性は低いです。しかし、学校の水泳の授業では、水着姿で友達とじゃれあったり、一時的にタオルを貸し借りしたり、同じビート版を使ったりと、どうしても感染しやすい状況になってしまいます。
プール後の肌の乾燥
アトピーのプールで一番注意が必要なのが、水泳の授業が終わった後の肌の乾燥です。
プールでは、たくさんの人の汗や汚れが塩素と反応して「結合塩素(クロミラン)」という物質が発生したりしています。そのため、プールから上がった後は、
プールがアトピーに良いのは本当?
アトビーの肌の表面は、肌の悪玉菌である黄色ブドウ球菌が多い傾向にあります。汗は、この黄色ブドウ球菌を活性化し、症状を悪化させてしまいます。プールでは、汗を常に洗い流してくれる、またプールの塩素によって黄色ブドウ球菌を殺菌してくれるといった理由から、アトピーに良いとされています。
ただし、アトピーの症状がひどい場合は、プールの水が刺激になることもありますし、塩素の殺菌効果によって肌の善玉菌まで殺菌してしまい、免疫力が低下することもあることを知っておきましょう。
アトピーの運動にはプールは最適!
人の体の新陳代謝を上げるために「運動」は効果的です。体に必要な栄養素をしっかりと届けるためには、新陳代謝が必要です。また、皮膚のかゆみの原因にもなる体内の有害物質などの排出もスムーズになります。さらには、免疫力の向上にもつながります。
しかし、アトピーの場合、「汗をかく」や「体温が上がる」ことが、かゆみを引き起こしたりと症状を悪化させることに繋がるため、運動を積極的の行うことに抵抗があるのは確かです。
そこで、
プールは常に汗を洗い流してくれ、さらには筋肉が熱を持ってもプールの水が常にクルーダウンしてくれている状態ですので、アトピーの運動における心配要素が少なくなります。
運動による免力向上でアトピーを改善
アトピーの根本的な治療法というのは、まだ見つかっていません。アトピーを改善するためには、アトピーの症状を抑える対処療法をしながら、食事や運動など体の内側から体質を改善していく必要があります。
運動、特に水泳などの有酸素運動は、心肺機能を強くしたり、血行を良してくれます。さらに、水泳は体への負荷が少ないにもかかわらず、筋肉量が増えることで基礎代謝力もアップします。自然と体の機能が鍛えられ免疫も向上していきます。免疫力が向上することで、アトピーなどのアレルギー症状の緩和にもつながるので、水泳での運動はアトピー改善に是非取り入れることをおすすめします。
ただし、水泳をしてアトピーの症状が悪化する場合は、無理に続ける必要はありません。無理に続けることが、ストレスとなりさらに症状を悪化させてしまうので、体と心の状態を見ながら始めてみましょう。
乳酸菌での免疫向上も効果的
免疫を強くするとして乳酸菌が注目されています。乳酸菌は、体内にある免疫の6割以上が集まっている腸内の善玉菌を助けてくれます。腸内の善玉菌が活性化されると、腸の消化吸収が良くなり体の代謝が良くなって免疫力も向上します。
乳酸菌は、ヨーグルトや乳酸菌飲料、乳酸菌サプリメントなどから摂取することができ腸でしっかり働いてくれるので、免疫力を向上するにはとても効果的です。
数ある乳酸菌の中でも、日本人の腸と相性が良くとされているのが、日本人の主食である米で育った乳酸菌です。この米由来の乳酸菌が摂取できるのは、現在のところ日本酒で有名な菊正宗が販売している「米のしずく」という乳酸菌サプリメントのみあのですが、配合されている乳酸菌には、アトピーなどのアレルギー体質を改善する効果があります。
米のしずくに配合されている米由来の乳酸菌は「LK-117」という名前なのですが、この乳酸菌は腸内環境を改善する働き以外に、アトピーの原因とされているアレルギー反応を起こす免疫機能に直接働きかけて、正常な免疫機能に戻す働きがあることがわかっています。「腸内環境改善」と「免疫機能改善」の2つの働きで、アトピーに負けない免疫力の向上が期待できます。
この米由来の乳酸菌「LK-117」配合の米のしずくは、菊正宗の公式サイトから購入できます。
お試しで購入できる1,500円のセットもあるので、ぜひ一度、試してみることをオススメします。
飲みやすいドリンクタイプか、ラムネのようなお菓子感覚で食べれるタブレットタイプもあるので、お好みで選ぶことができますよ。
アトピーのプールが心配だったら・・・
7月になると学校では水泳の授業が始まります。アトピーでプールに入るのが不安だからといって、プールには入らないと決めてしまうのはもったいないです。プールで懸念されている塩素濃度は、実際には水道水とほぼ変わりませんし、プールに入ることに神経質になる必要はありません。学校のプールでの注意点をしっかり把握しながら、アトピー負けない免疫力を向上するためにできることから始めてあげましょう。