最近、川口春奈さんが出演するヤクルトのCMの「シンバイオティクス」がやたらと気になります。これは『シンバイオティクス ヤクルト W(ダブル)』という乳酸菌飲料のCMです。シンバイオティクスには、どのような効果があるのか徹底調査!ヤクルトを飲んでみる前に、まずはこの記事を読んでみて!
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こんな方に見てほしい
このページは、ヤクルトのシンバイオティクスが気になっている方、健康のために乳酸菌飲料を飲んでみようかなと思っている方に見ていただきたいページです。
概要
川口春奈が可愛過ぎて気になるヤクルトのCM
川口春奈さんが出演するヤクルトの「シンバイオティクス」のCMは、コンビニを舞台にしたものでいくつかのバージョンがあるようです。
◆『健康を気にしてるなら「シンバイオティクス」です。2つの強さです。「シンバイオティクス」です。覚えてね!』と、先輩に向けてシンバイオティクスを知ってほしいとアピールするバージョン。
◆『シンバイオティクス、シンバイオティクス、シンバイオティクス、シンバイオティクス、シンバイオティクス、シンバイオティクス、シンバイオティクス』と、単純にシンバイオティクスを連呼するバージョン。
◆『シ・ン・バ・イ・オ・ティ・ク・ス!』と、だるまさんがころんだ風に言うバージョン。
◆コンビニ以外には、オフィスと思われる場所で、ゴクゴクと乳酸菌飲料を飲みながら『強い菌で強く生きるシンバイオティクス』と言うバージョン。
何回見ても川口春奈さんは可愛過ぎますね。
それはさておき、これを見るだけでも、『シンバイオティクス ヤクルト W(ダブル)』という乳酸菌飲料の商品名よりも「シンバイオティクス」という言葉を消費者に伝えたいことがわかりますね。
ではさっそく、この気になる「シンバイオティクス」が、健康のためにどのような効果があるのかを見ていきましょう。
シンバイオティクスの効果とは?
「シンバイオティクス」とは、ヤクルト独自のものではありません。
1995年に、イギリスのレディング大学・食品微生物学教授グレン・ギブソン(Glenn R. Gibson)と、ベルギーのルーバン・カトリック大学・生化学教授マルセル・ロバーフロイド(Marcel B. Roberfroid)によって、初めてその概念が提唱されました。
その概念とは、『シンバイオティクスは、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を組み合わせたものである。』というものです。「プロバイオティクス」に「プレバイオティクス」、シンバイオティクスの他によくわからない用語が増えましたが、それぞれ、ゆっくり見ていきましょう。
プロバイオティクスについて
「プロバイオティクス」は、1989年にイギリスの微生物学者ロイ・フラー(Roy Fuller)によって『腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物』と定義され、広く認知されるようになりました。
プロバイオティクスの候補としては乳酸菌やビフィズス菌が有名で、日本の伝統的発酵食品である、ぬか漬け、納豆、味噌、醤油などは植物性乳酸菌を含み、酸に強く腸まで届くプロバイオティクスをもつ食品とされています。
また、最近では生菌や死菌に関係なく『人の健康に有益な作用をもたらす微生物』という広い定義で用いられることも多くなり、基本的には全ての乳酸菌にはプロバイオティクスがあるとされています。
プレバイオティクスについて
「プレバイオティクス」は、1995年にイギリスのグレン・ギブソン(Glenn R. Gibson)によって『消化管に常在する有用な細菌を選択的に増殖させる、あるいは有害な細菌の増殖を抑制することで宿主に有益な効果をもたらす難消化性食品成分』と提唱された用語です。
わかりやすくいうと、『プロバイオティクスの働きを助ける食品成分』のことで、現在までに、オリゴ糖や食物繊維の一部が、プレバイオティクスとしての要件を満たす食品成分として認められていて、プレバイオティクスの摂取によって、善玉菌の増殖促進作用や整腸作用など、健康に有益な効果が報告されています。
つまり、人に有益な作用をもたらすプロバイオティクスの働きを助けるのがプレバイオティクスということとなり、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組わせることで、さらに人の健康に有益な効果が高まると考えられ、それが「シンバイオティクス」と呼ばれるものです。
日本静脈経腸栄養学会雑誌内でも、日本のシンバイオティクスについて以下のように記載されています。
日本では、1917年にすでに最初のプロバイオティクス医薬品の製造販売が始まり、下痢や便秘に対してプロバイオティクスが日常的に用いられ、同時に多くの発酵食品やヨーグルトが販売されている。プロバイティクスに加えて、その増殖因子であるプレバイオティクスを併用するシンバイオティクスは、より腸内環境を整える治療として注目されている。腸内細菌叢の基礎研究・臨床研究の発展とともに急性期病態に対するプロバイオティクス・プレバイオティクスにも脚光が当たり始めている。
引用:◆プロバイオティクス・プレバイオティクス
佐々木まい
簡単に言うと、プロバイオティクスという腸を健康にする菌と、プレバイオティクスという腸を健康にする菌をサポートする成分を掛け合わしたのが「シンバイオティクス」ということよ。
よく似た言葉で、わかりにくいですけど、腸を健康にしてくれる成分ってことはわかるわ。
みきさん
次に、ヤクルトのシンバイオティクスとされる成分には、どのような特徴や効果があるのかを見ていきましょう。
ヤクルトのシンバイオティクスの効果について
ヤクルトの乳酸菌飲料『シンバイオティクス ヤクルト W(ダブル)』には、プロバイオティクスである「乳酸菌 シロタ株」とプレバイオティクスの「ガラクトオリゴ糖」が含まれています。
プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取することができることから、シンバイオティクスとしての効果が期待できるということです。
『シンバイオティクス ヤクルト W(ダブル)』のCMでも使われているフレーズの「2つの強さで腸から健康に!」の2つは「乳酸菌シロタ株」と「ガラクトオリゴ糖」のことです。それぞれの成分をさらに詳しく見ていきましょう。
ヤクルトの「乳酸菌シロタ株」の効果と特徴
「乳酸菌シロタ株」は、ヤクルトが80年以上も研究を続けている乳酸菌で、正式名は「ラクトバチルス・ガゼイ・シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)」です。
昭和5年に予防医学を志し微生物研究をしていた医学博士の代田稔が、人々の健康に役立つ乳酸菌の中から胃液や胆汁などの消化液にも負けず生きたまま腸に到達する乳酸菌を発見し、その乳酸菌をさらに強化し培養したのが「乳酸菌シロタ株」です。その乳酸菌を手軽に摂取できるように商品化されたのが、乳酸菌飲料の「ヤクルト」です。ヤクルトが販売され始めたのが昭和10年なので、単純計算でも乳酸菌研究に約5年もかけていたということです。
乳酸菌シロタ株に期待できるとされる効果や特徴がこちら。まさに、プロバイオティクスです。
- 胃酸や胆汁に負けず生きたまま腸に到達する
- 腸に良い菌を増やし、悪い菌を減らす
- 腸内環境の改善
ヤクルトの「ガラクトオリゴ糖」の効果と特徴
「ガラクトオリゴ糖」は、これまでの研究で腸内菌叢の改善、便性の改善、ミネラルの吸収促進、虫歯になりにくい難う蝕性という機能があることが明らかにされています。また、熱や酸に強く、調理や保存中に壊れたり変化することが少ないのが特徴で、さまざまな食品に広く利用されています。
ガラクトオリゴ糖は、消化管内でビフィズス菌を増加させ、整腸作用を示す機能性があり、これらのプレバイオティクス作用は、消費者庁より規格基準型特定保健用食品としての認証が与えられています。
『シンバイオティクス ヤクルト W(ダブル)』の効果と特徴をまとめてみた
ヤクルトの『シンバイオティクス ヤクルト W(ダブル)』の効果や特徴をまとめると、乳酸菌シロタ株とガラクトオリゴ糖を一緒に摂ることで、それぞれがもつ効果をさらに向上させることが期待できるということです。腸の健康を気にする方にはオススメです!
ちなみに、1本(100ml)あたりに含まれている乳酸菌は300億個以上で、ガラクトオリゴ糖は2.5g、脂肪分は0.1g未満でカロリーは52kcalとなっています。この商品は、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどで販売されているので、これからの季節は店頭で見かけることが増えそうです。
佐々木まい
ですが、これだけでこの乳酸菌が良いと判断するのは待ってください。
インフルエンザ予防や、花粉症などのアレルギー予防を目的に飲もうと思っている方は注意が必要です!乳酸菌シロタ株には、インフルエンザ予防やアレルギー予防の効果は証明されていません。
乳酸菌による健康神話の落とし穴
これは一般的な乳酸菌全てに言えることとですが、乳酸菌シロタ株はあくまでも腸内環境を整える効果が期待できるだけ。腸内環境を整えることで免疫力向上などの健康効果が期待できますが、確実な効果が証明されているわけではありません。また、少し前にインフルエンザ予防で話題になった明治のR-1についても同じことが言えます。
さらに、同じ乳酸菌を毎日摂取して思っていた効果があった人もいれば、全く効果がない人もいます。または、他の乳酸菌を飲んでみたら効果があったという人もいます。このように乳酸菌の種類によって人それぞれ効果の感じ方が違うのには、日本人の腸との相性が関係しています。
乳製品と日本人との相性
日本人のなかには、牛乳を飲むとおなかの調子が悪くなる人がいます。これは日本人の腸の乳糖を消化する働きが弱いためです。反対に、ヨーロッパなどの寒い国の人で、牛乳を飲んでおなかを壊す人はあまりいません。それには、食文化が大きく関係しています。
日本が牛乳を飲むようになったのは、ここ数十年のことです。
日本人には、牛乳やヨーグルトなどの乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素が少ない人が多いことがわかっています。ところが、人の体はよくできていて、ミルクしか飲めない赤ちゃんは大人よりも乳糖を分解する酵素が多く作られ、母乳やミルクからしっかりと栄養を吸収することができます。
ですが、成長とともに食べられるものも増え、ミルク以外のものから徐々に栄養が摂れるようになると、乳糖を分解する酵素の働きが落ち、牛乳を飲むだけでお腹を壊すようになります。それが日本人に多く見られる「乳糖不耐症」と呼ばれる症状です。
ちなみにチーズなどを日常的に摂取する欧米人は、日本人に比べると乳糖不耐症の人は少ないとされています。
つまり、その地域特有の食文化によって、その環境に適した体が作られているのです。
日本人には先祖代々日本人が食べてきたものが身体に合うようになっているんですね。
みきさん
佐々木まい
乳糖不耐症よりも、もっと深刻なケースが「乳アレルギー」です。これは乳糖ではなく、乳製品に含まれる「カゼイン」と呼ばれるタンパク質が原因で引き起こされるアレルギーです。
乳酸菌との相性についてもそれは同じで、ヨーグルトなどの乳製品に含まれている乳酸菌よりも、漬け物などに含まれる植物性乳酸菌のほうが日本人の腸には相性が良いとされています。また最近では、日本人の腸と最も相性が良いとされる米由来の乳酸菌が「進化系乳酸菌」と呼ばれ注目を浴びています。
乳酸菌の効果の期待は「バイオジェニックス」
バイオジェニックスとは、腸内細菌学の第一人者である東京大学名誉教授の光岡知足先生によって提唱された用語で、プロバイオティクスやプレバイオティクスが、『腸内フローラのバランスを改善して人に有益な作用をもたらす』のに対して、『直接、あるいは腸内フローラを介することなく人に有益な作用をもたらす』というものです。
バイオジェニックスこそが、乳酸菌の新たな期待として注目されています。
バイオジェニックスに通ずる機能性を持つ乳酸菌には、免疫に直接作用して免疫バランスを整えることでアレルギー症状を抑制する働きが実証されているものがあります。さらには、免疫バランスが整うことでウイルスに対する免疫力を高めることもわかっています。
バイオジェニックスを持つ乳酸菌についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
米由来の乳酸菌×バイオジェニックス
まだまだ乳酸菌の機能が注目される中、現時点で肌キュアが最強の乳酸菌だと考えるのは、「バイオジェニックスを持つ米由来の乳酸菌」です。
そんな乳酸菌なんてあるの?と思われるかもしれませんが、実はそんな素晴らしい乳酸菌があるんです。
それが、菊正宗が発見した「進化系乳酸菌LK-117」です。
進化系乳酸菌は、菊正宗が伝統的な発酵技術を使った日本酒造りの工程で発見した乳酸菌で、現在も酒蔵で繰り返される酒造りで進化しながら生き残り続ける強い乳酸菌です。また、日本酒の原材料でもある米由来の乳酸菌であるため、日本人とも相性がよいとされる乳酸菌です。
この進化系乳酸菌LK-117の持つ、バイオジェニックスとしての機能は「免疫調整機能」です。アレルギー体質に傾いた免疫バランスを整えながら免疫の働きを活性化してくれます。そのため、アレルギー症状の緩和やインフルエンザ予防などの効果が期待されています。
日本人とも相性がいいとされる米由来の乳酸菌なので、もちろん整腸作用などの腸内環境の改善効果も期待できます。
もし、健康のために乳酸菌を飲んでみようと思っている方は、この進化系乳酸菌LK-117も試してみる価値はありです!記事が長くなってきたので、進化系乳酸菌LK-117が気になる方は、こちらも合わせてご覧ください。