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酒粕と米麹の甘酒、美容に良いのは?効果の違いをわかりやすく解説!

酒粕と米麹の甘酒、美容に良いのは?効果の違いをわかりやすく解説!

健康・美容に良く、ダイエットにも効果があり、「飲む点滴」と言われるほど栄養価の高い“甘酒”。最近でも、さらに新しい健康効果が明らかになり、健康や美容に敏感な女性を中心に大きな注目を集めています。しかし、実は甘酒には「米麹」と「酒粕」の2種類あり、栄養や効果に違いがあるのをご存知ですか?そこで今回は、甘酒の種類と効果の違いをわかりやすく解説します。

この記事は約7分で読めます。

こんな方に見てほしい

このページは、米麹の甘酒と酒粕の甘酒の効果の違いを知りたいという方に見ていただきたいページです。

概要

意外に知らない甘酒の種類

甘酒には、「米麹からつくる甘酒」「酒粕からつくる甘酒」の2種類あります。
米麹と酒粕は、どちらも日本酒の製造工程でつくられますが、まったくの別物です。

米麹は、蒸したお米に麹菌を加えて菌を培養させたもの。
そして、米麹に酒母(アルコール発酵をするために必要な酵母を培養したもの)を加えてアルコール発酵させた「もろみ」を絞ったものが日本酒になるのですが、その際に絞りかすとして残るのが酒粕です。

このように、同じ甘酒でも米麹と酒粕では原材料がまったく違うため、甘酒の作り方や特徴も違ってきます。

米麹の甘酒の作り方と特徴

一般的に販売されている米麹の甘酒の作り方は、蒸したお米に麹菌を加えてできる米麹にお湯を加えて一晩おいたものになります。ご家庭で作る場合は、鍋にご飯と水を入れて60℃に温めて、そこに麹を加え、保温ポットなど移して10~12時間ほど置くと出来上がり。また、米麹は60℃を超えると死んでしまうため温度には注意が必要です。

特徴としては、原材料が、米麹とお湯だけなので、砂糖やアルコールが含まれていないこと。甘みの主成分は、お米のタンパク質を麹菌が分解してつくるブドウ糖です。

酒粕の甘酒の作り方と特徴

酒粕の甘酒の作り方は、酒粕をお湯に溶かして砂糖を加えるだけなので、ご家庭でも簡単に作ることができます。

特徴としては、砂糖で甘みをつけていることと、アルコールが含まれていること。一般的に販売されている酒粕の甘酒は、アルコール1%未満で清涼飲料水として分類されて、未成年が飲んでも法律上の問題はありません。しかし、運転前や妊娠中、小さいお子様が飲む場合は注意が必要です。

米麹の甘酒と酒粕の甘酒、美容に良いのはどっち?

「飲む点滴」と言われるほど栄養価の高い“甘酒”。

米麹の甘酒も酒粕の甘酒も、次のような効果が期待されています。

・栄養が豊富(疲労回復)
・腸内環境を整える
・日肌効果
・免疫力の向上
・生活習慣病の予防
・安眠効果(リラックス効果)

砂糖やアルコールが含まれていことで、お子様や妊婦の方でも安心して飲めるということから、健康や美容に良いと言われている甘酒は「米麹の甘酒」といった情報も多いです。しかし、最近では、酒粕の甘酒に含まれる新たな美容成分も発見されています。

米麹の甘酒と酒粕の甘酒は、それぞれ原材料が違うため、含まれている成分や効果にも大きな違いがあるのは当たり前のことです。それぞれの成分や期待できる効果を知り、自分の目的に合った甘酒を選ぶことがとても大切です。

甘酒100gあたりの栄養素

成分 米麹の甘酒 酒粕の甘酒
タンパク質 5.8g 14.9g
脂質 1.7g 1.5g
炭水化物 59.2g 23.8g
食物繊維 1.4g 5.2g
ビタミンE 0.2mg
ビタミンB1 0.11mg 0.03mg
ビタミンB2 0.13mg 0.26mg
ビタミンB6 0.11mg 0.94mg
ナイアシン 1.5mg 2mg
葉酸 71μg 170μg
パントテン酸 0.42mg 0.48mg
ナトリウム 3mg 5mg
カリウム 61mg 28mg
カルシウム 5mg 8mg
マグネシウム 16mg 9mg
リン 83mg 8mg
0.3mg 0.8mg
亜鉛 0.9mg 2.3mg

米麹の甘酒の方が期待される効果と成分

米麹の甘酒には、疲労回復や免疫力の向上による風邪やインフルエンザの予防、その他、高血圧予防にも効果が期待できます。

●疲労回復と免疫力の向上

麹菌は、デンプンやタンパク質を分解するための酵素を培養します。その酵素によって、お米のデンプンはブドウ糖に、タンパク質はアミノ酸に分解されます。

病院の点滴で、ブドウ糖の点滴をすると血液中のブドウ糖が増え、脳ですぐに使われる疲労が瞬間的に回復されます。そのため、「飲む点滴」と呼ばれる甘酒とは、ブドウ糖が含まれている米麹の甘酒のことを指します

また、ブドウ糖やアミノ酸、ビタミンB群などは、腸内の善玉菌のエサとなる栄養素です。体内の免疫細胞の約70%は腸内に集中していて、善玉菌が増えると免疫細胞が活性化され、免疫力が向上します。

摂取した食べ物は、唾液や胃液などの消化酵素で分解してから体内に吸収されますが、米麹の甘酒はすでに分解された栄養素であるためにすぐに吸収されるということ。また、麹菌は熱を加えると死んでしまうのですが、市販の米麹の甘酒は、麹菌がすでに栄養を分解し終わっているので、加熱しても栄養が損なわれないというのも魅力です。

●高血圧の予防

麹菌は、デンプンやタンパク質を分解する際にペプチドをつくります。このペプチドには、血圧の上昇を抑える効果が期待されています。

ペプチドは、米麹だけでなく酒粕にも豊富に含まれていますが、米麹の甘酒は砂糖を含まないので高血圧の予防にはおすすめです。ペプチドは高血圧の予防の他にも、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

酒粕の甘酒のの方が期待される効果と成分

酒粕は、米に麹菌を加えて発酵させた米麹に、酵母や乳酸菌を加えさらに発酵させて造られます。麹菌と酵母による2回の発酵により、様々な栄養成分が豊富につくられます。
お米に含まれるタンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの他にも、発酵によりできたペプチドやアミノ酸、β-グルカン、葉酸なども含まれているため、たくさんの健康効果が期待されています。

その中でも最近注目されているのは、「レジスタントプロテイン」によるダイエット効果や、「α-EG」による美肌効果です。これらの成分は、酒粕の甘酒にのみ含まれているものになります。

●レジスタントプロテインによるダイエット効果

レジスタントプロテインは、胃や腸で消化吸収されにくく、他の栄養素の消化吸収を抑えるタンパク質です。また、体内に取り込むことで糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇やコレステロールの吸収を防ぐ作用や、代謝を上げて余分な脂質を体外に排出する作用もあります。

これらの作用から、レジスタントプロテインはダイエットに効果がある成分として注目されています。

●α-EGによる美容効果

日本酒の旨味成分である「α-EG」は、真皮層のコラーゲン量を増やすことを学術的に実証されたことから、美容業界でも注目されている成分です。

肌のコラーゲンは、0歳がMAXとすると、30歳では約40%まで減少してしまいます。
肌は、外側から表皮・真皮・皮下組織で構成され、表皮の基底層では常に新しい肌細胞がつくられ、約2週間かけて角質層まで押し上げられていきます(ターンオーバー)。コラーゲンが美肌に関係している理由は、基底層を支える真皮の約70%を占める成分だからです。

コラーゲンは、エラスチンとともに肌の土台となる線維をつくり、そこに保水力のあるヒアルロン酸やプロテオグリカンなどがくっつくことで、肌のハリや潤いを保っています。つまり、土台であるコラーゲンが減少したリ、質が悪くなると、肌は乾燥しバリア機能が低下、ハリが失われることでシワやたるみの原因となります。

そんな、真皮層のコラーゲン量を増やす「α-EG」は、米麹に酵母を混ぜることで作られるため、日本酒の搾りカスである酒粕に多く含まれています。α-EGの効果としては、1週間でコラーゲンをつくる細胞が活性化され、1週間酒粕の甘酒を飲み続けることで、効果が1ヵ月持続されるようです。

美容のために酒粕の甘酒を飲むのであれば、肌細胞が最も活性化される夜に飲むのがオススメです。

美容だけじゃないコラーゲンの役割

骨粗しょう症は、老化したコラーゲンにより、カルシウムやリンなどが定着しにくくなることで起こります。骨の成分といえば、カルシウムなどを思い浮かべますが、実はそれだけでなく、骨のうちの約23%はコラーゲンです。骨の代謝には「破骨細胞」と「骨芽細胞」という2つの細胞が関わっていますが、老化したコラーゲンが増えると、破骨細胞の働きが低下し代謝が滞り骨粗しょう症になります。

また、骨と骨とをつなぐ関節、その骨の接合部には水分を含んだ軟骨があり、衝撃を吸収するクッションの役割をしています。この軟骨は、水分を除くとおよそ80%がⅡ型コラーゲンで占められています。Ⅱ型コラーゲンは軟骨組織の、ヒアルロン酸やグルコサミン、プロテオグリカンなどを埋め尽くす形で存在しています。加齢によって軟骨がすり減るのは、軟骨組織の合成と分解のバランスが崩れることが原因です。最近の研究では、コラーゲンが軟骨のすり減りを抑えることがわかっています。

甘酒を効果的に飲むには

このように同じ甘酒でも、米麹の甘酒と酒粕の甘酒では、含まれている成分や効能にも大きく違いがあります。どちらにしても、栄養が豊富でまだまだ発見されていない効果もありそうです。
効果的に甘酒を飲むには、自分の目的に合ったものを選ぶのはもちろんのこと、やはり続けることが大事なので、飲みやすさや続けやすさなども考慮することも大切です。

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