冬のカサカサ手荒れは放っておくと、かゆみを伴ったり、パックリとひびが入ってしまうことも。手荒れを起こすのは手が敏感肌になっているサインです。特に水仕事や指先を使うことが多い方、アレルギー体質の方に多く見られます。そんな、ひびやあかぎれを早く治す方法とは!?
概要
手荒れ(ひび・あかぎれ)の症状とは
手荒れは、手や指の肌が乾燥することで、肌のバリア機能が低下あるいは機能していない状態で、特に寒く空気が乾燥している冬は起こしやすくなります。
冬は、手先も冷えやすく皮膚の新陳代謝が低下しやすく、汗をかきにくくなるためバリア機能も万全ではありません。また、手の皮膚は、もともと皮脂の分泌量も少ないため、身体の他の部位に比べて肌表面の角質層はダメージを受けやすくなっています。
手荒れの症状の段階
手荒れの症状の段階は、初期から最重症期までを以下の5つに分けることができます。
・初期・・・指先が軽くカサつく程度
・注意期・・・手全体にカサツキが広がる。指紋が薄くなり、皮が剥けたり、軽いひび割れが起こる。
・進行期・・・肌がゴワつき、ひび割れが起こる。赤みが目立ち、ところどころ血が滲んだりする。
・重症期・・・赤く腫れてかゆみを伴う。ひび割れは痛みを伴い、出血する。
・最重症期・・・かゆみも痛みもひどく、水ぶくれができ、指が曲げにくくなる。
手荒れに代表されるひびやあかぎれの症状とは?
皮膚の水分や皮脂が足りなくなると、肌表面がどんどんと硬くなり、やがてパックリと亀裂ができてしまいます。この状態が「ひび割れ」です。そして、さらに悪化していくと、真皮層まで深く亀裂が入り、「あかぎれ」となります。あかぎれを起こすと、真皮層にある血管から血が滲んできます。
「しもやけ」と「あかぎれ」は違う?
手荒れに悩んでいる方の中には、しもやけとあかぎれは同じものだと思っている方もおられますが、これらは原因が違うため別物です。あかぎれは、乾燥が原因で起こるのに対して、しもやけは、手足の冷えによって末端の血行が悪くなり炎症を起こすことが原因です。
しもやけの主な症状には、以下のものが挙げられます。
・手や足の指が全体に赤く腫れる
・手や足の指、手のひら、足の裏に赤い発疹ができる
・手や足の指が赤黒くなる
・かゆみがあり、温めるとかゆみが強くなる
しもやけになりやすい時期は、寒さが厳しい時よりも、初冬や初春です。これには、寒暖差によるもので、1日の気温の変化に対応しきれずに、血行が悪くなり炎症を起こしやすくなるのです。
また、しもやけが原因で、肌が敏感肌になり乾燥してしまうことで、ひびやあかぎれに繋がることも考えられます。しもやけを予防・改善するには、日頃から手足の血行を促すことが大切です。
日常生活が原因で手荒れを起こしやすい人
私たちの日常生活の中には手荒れを起こす手の乾燥を招く原因はたくさんあります。水仕事、シャンプー、手洗いなど、手を使うこと自体が、手の皮膚の刺激となり乾燥の原因となります。
職業別に見てみると、水を使う事が多い主婦や美容師、飲食業、紙を素手で扱うことの多い教師、紙幣を扱う銀行員、手洗いや消毒の頻度が高い医療従事者などは、手荒れを起こしやすいといえます。食器用洗剤は油汚れ、シャンプーなどは皮脂汚れと同様に、手の皮脂も落としてしまいます。また冷たい水よりは温かいお湯の方が皮脂を落とします。アルコール消毒は、アルコールの揮発と一緒に手の水分を、また、過度な手洗いは、手の皮脂を落とすだけでなく、摩擦によって肌に刺激を与え、乾燥に拍車をかけてしまいます。そして、意外に見落としがちなのが、紙幣などの紙に触れること。紙に触れることで、手の水分が奪われたり、紙との摩擦が手肌に刺激を与えています。
その他にも、PCのキーボード操作、書類や本、新聞などの紙類に多く触れる、衣類を干したり畳んだりなど、手の水分や皮脂は日常生活の中でとても奪われやすいのです。ある程度は仕方のないことなのですが、これらのことを意識するだけでも手荒れ予防には大切なことなのです。
手荒れ(ひび・あかぎれ)の予防と早く治す方法
では実際に、手荒れを予防するにはどうすればいいのか、また、起こってしまったひびやあかぎれを早く治すにはどうすればいいのかを解説していきます。
日常生活での手荒れの予防方法
日常生活での手荒れを予防するには、まずは、食器用洗剤やシャンプーなどはなるべく手に負担のかからないものを使うようにしましょう。また、どうしても強い洗剤などを使う場合は、ゴム手袋やビニール手袋を着用して、洗剤が手に触れないようにします。また、水仕事をするときのお湯の温度は、32~35度を目安にし、なるべく熱いお湯は使わないようにすることで、水分や皮脂が奪われるのを防ぎます。
美容師などの薬剤などを扱うことの多い職業によっては、中々難しいことかもしれませんが、これらは意識することが大切です。それだけ手に負担がかかっているとうことを自覚して、次で紹介するスキンケアで、傷ついた手を保護して挙げましょう。
スキンケアでの予防方法
手荒れを予防するために、手のスキンケアも欠かせません。手のスキンケアといえば、ハンドクリームですが、ハンドクリームの塗り方を少し工夫するだけで、手の乾燥を防ぐことができます。
その工夫とは、ハンドクリームを塗る前に、化粧水で乾燥した肌に水分を与えることです。乾燥している肌にハンドクリームを塗ったからと言って水分を与えてくれるわけではありません。ハンドクリームを塗る前に、化粧水で潤いを与え、ハンドクリームに含まれている保湿成分や油分で潤いを逃がさないようすることで、手の保湿ができます。また、ハンドクリームを塗りながら手をマッサージすることで、手の血行を良くすることができます。
手が乾燥しているなと感じたとき、水仕事の後、手を洗った後、お風呂上りには、ハンドクリームを塗る習慣をつけるようにしましょう。
敏感肌が避けるべきハンドクリームの成分
ハンドクリームの成分によっては、むしろ手荒れを悪化させてしまうこともあり注意が必要です。
特に敏感肌の方が避けるべきハンドクリームの成分は「尿素」。
よく、尿素〇〇%配合と書かれているものを見かけますが、尿素系ハンドクリームには乾燥して硬くなってしまった角質を柔らかくする効果があります。しかし、その一方で、刺激が強く、皮膚が薄い部分に塗ってしまうとかえって肌荒れを引き起こす原因になります。
ひび・あかぎれを早く治す方法
手荒れの症状が初期の段階であれば、日常生活やスキンケアで手荒れ予防を意識することで治すことができます。
しかし、症状が悪化し、ひびやあかぎれになってしまうと治すのに時間がかかります。
あまりにも痛みがひどい場合は、なるべく刺激になるようなことは避け、オロナインなどを使って炎症を抑えるようにしましょう。それと同時に、手の保湿ケアも忘れずに。余分な成分が含まれていない化粧水で手を潤し、ワセリンなどでしっかりと手を保湿・保護することが大切です。
モイストヒーリングとは、湿潤療法のことで、傷口をしっかり覆って乾燥を防ぎ、体液を保つことで人間が本来持っている自然治癒力を引き出す治療法です。傷ができると、やや澄んだ浸出液が出てきたことはありませんか?実はこの体液は、傷を治そうとするために分泌されるもので、傷が大きければたくさんの液が出てきます。その体液が乾かないように絆創膏などで保護して、自然治癒力を手助けするのです。その体液を保護する素材の絆創膏には「キズパワーパッド」「ケアリーヴ治す力」などがあります。ただし、これはあくまでも傷口の応急処置になります。ひび、あかぎれを治すためには、体の内側からの改善が必要です。
日常生活で意識することは、体の血行を良くする生活を心がけましょう。手の血行が良くなることで、水分や皮脂の分泌が増えるだけでなく、肌荒れを治そうとする力も高くなります。そのためには、お風呂は湯船にしっかり浸かり、温まった体を冷やさないようにすること。また、適度な運動も血行を良くするには効果的です。ひび・あかぎれを早く治すためには、体の内側からのケアがとても大切になります。
自宅でできる血行をよくする入浴法!
最近、スーパー銭湯など浸かるだけで血行が〇〇倍という炭酸風呂をよく見ませんか?
炭酸風呂は、身体への負担が少ないぬるめのお湯に長時間浸かりながら、炭酸を肌に付着させ、毛穴から血管を刺激し血行を良くすることで血流が4倍から7倍程度になるといわれています。
そんな、炭酸風呂が自宅でもできるように作られたのが「薬用ホットタブ重炭酸湯」です。
炭酸風呂の作り方も簡単で、浴槽の中に錠剤を入れるだけで、ぬるめのお湯でもちゃんと溶けるように作られているので、しっかりと炭酸風呂の効果が期待できます。
炭酸風呂の良いところは、ぬるめのお湯でも血行を良くすることで、しっかりと身体をあたためてくれることです。37℃~40℃なので、身体にも肌にも負担がかかりません。また、炭酸風呂は、生後3ヶ月以降の赤ちゃんでも、頭からかぶれるほど負担が少ないなので、敏感肌の方でも安心して使うことができますし、浴槽を痛めることもありません。もちろん、妊婦さんでも大丈夫です。
血行を良くすることは、ひび・あかぎれなどの手荒れだけでなく、冷え、肩こり・腰痛、あせも、しもやけなどにも効果があります。血行を良くすることは、敏感肌の改善にもつながります。ぜひ、毎日の入浴に炭酸風呂を取り入れて、体の内側からのケアを始めてみましょう。